valentine day

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丁寧にラッピングしたハート柄の包装紙を、包んだときより丁寧何じゃないかと思う優しさで開いていく紀ちゃん。 ゆっくり箱のふたを開けると、目が、優しく笑った。 「凄く美味しそう…!」 ユウキ君が、よかったねと視線を送りながら私の脇を肘でつついてきた。 それと、もうひとつ。 とっておきのプレゼントがあるんだけど、紀ちゃんは気づいてくれるかな。 「…あら。一粒だけ小さいわね」 やっぱり紀ちゃんは、気づいてくれた。 「それはね、もう一人の分」 「もうひとり?」 紀ちゃんは訝しげに顔をしかめたあと、みるみる瞳を潤ませていく。 「……え……?」 私はにっこり頷いて、紀ちゃんに答えた。 「私と紀ちゃんの、赤ちゃんの分だよ」 すべてはバレンタインからはじまった。 紀ちゃんと出会ったのも 一緒に生きていくと決めた日も いつも側にはチョコレートの香り。 甘い甘い香と、優しさに包まれて。 これからも、側にいようね。 「紀ちゃん、大好き」 ハッピーバレンタイン。 see you.
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