打ち明け

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それは、小学二年生。 7歳の頃。 俺は、生まれつき好奇心旺盛で何をするにしても、どこを行くにしてもひたすら行動していた。 そして、いつも友達の健太と一緒に外を駆け回り、走ったものだった。 そんなある日、俺は健太に森に行って遊ぼうと話を持ち掛けた。 普通なら、まだ小さいのが森に行ったら危ない。 母ちゃんからも、しつこく森は危険だから決して行ってはならないと言っていたから。 ……でも。 あの時の俺は、どこにでも行く危ないヤツだった。 もちろん、気になって気になって仕方がなかったんだ。 なんとかなる、そんな甘え考えしか持っていないまま、放課後二人で行った。 それが、この傷痕を作る事になろうとは思わなくて……。 俺達は、とりあえず深くまで入らないように近くで遊んでいたんだけれど。 それでも、安心の範囲じゃなかった……。 走り回って、夢中になって遊んでいたら。 ガサガサ、ガサガサ。 近くで何かが、草の中で動いていて。 「何か、来たのかな?」 「そーだなー、まぁ大したのじゃないだろ」 その時、俺はただただにへらと笑っていて、恐怖感はなかったんだけれども。 それは、一瞬で『絶望』へと変わってしまったんだ。 「グルル……」 「……え?」 音を立てたその先から、うなり声のようなものが聞こえた。 よく見ると、うっすらと2つの光ったものが、俺達をジロリと睨み付けている感じがする。 ……凄く嫌な予感がした。 やっとこさ危険を感じた俺は、強く健太を引っ張り。 「……おい、逃げるぞ!」 「え?」 「いいから早く!!」 あれは、きっと危ないものに違いない。 そんな事だけを考えて、逃げようと走り出した。 .
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