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まぁ……、やっぱ女の子なんだし、あれが一番良いんだろうな。
嫌でも、昔からずっと見て来たあれ。
クマのぬいぐるみ……。
と言っても、ぬいぐるみに限らないんだけど。
「……っと、あれがいいんじゃないか?」
「あれ?」
とりあえず、それを俺は提案する事にした。
「えーっと、クマのぬいぐるみ!」
「そっかー、クマさん!それ良いかもね」
「うん。それ、僕も賛成」
「クマのぬいぐるみ……か」
俺の提案を聞き、俊は目をつむって考えている。
雪斗と零士は、賛成しているみたいだ。
「……分かった。それにしてみるよ」
数秒後、俊は目を開けて俺の提案に賛同してくれた。
「それにするか?」
「ああ。翔、ありがとう」
「んー、まぁどうって事ねーよ!」
とりあえず、誕生日プレゼントを決められて良かった。
メアリーちゃん、きっと喜ぶだろうな。
「……ん、もうそろそろHRだね。席につかないと」
雪斗の言葉で時計に目をやると、もうHR5分前。
「あ、先生が来ちまう」
俺は、俊とは逆に一番廊下側の、一番後ろの席。
そこへ戻ろうと足を進めようとした。
「翔」
「何だー?」
ざわざわとみんなが席につく中、俊に呼ばれ、顔だけを後ろに向ける。
「次の休み時間に、ちょっと話があるからまたここに来てくれるか?」
「?おう、いいよ」
「……悪いな」
そう言うのを聞いた後、ちょっとだけ早歩きをして自分の席につく。
……話って何だ?
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