不安な気持ち

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その夜。 眠りについた後、俺はまたあの光景を夢に見た。 『うわあああああ!』 大きな森の中で、突然あいつが現れた恐怖。 素早く俺達に襲ってきた、大きな爪。 そして──。 「あぁああぁあぁああ!!!」 背後の友達の叫び声。 倒れる自分。 森の中へと消えていくあいつ。 「……?」 が。 友達の姿が無かった。 本当は、友達は俺の下敷きになってるハズ……。 と、その時。 見覚えのある姿が、ゆっくり、ゆっくりとこっちに向かってきているのが見えた。 そして、その人は俺の隣に座り、ぐったりとした小さな俺を優しく抱き上げ。 右目で見たその瞳は、とても悲しみで一杯になっていた。 「……?」 その人は そのまま俺を、 ぎゅっと抱き締めてくれた。 自然と、俺の右目からは涙が溢れ。 頑張って力を振り絞り、その人の横顔を見ると 俺以上の涙を流し、何も言わずただただ抱き締めてくれていた。 ……あいつ、こんなに泣くやつだったっけ……。 「……!」 思わず、布団の中で俺は目を覚ます。 自分の目からは、大量の涙が溢れていて。 頬からつたってくるのが、分かった。 「……」 ごしごしと、涙を右腕で拭いて……。 でも、それでも涙が。 ……あの、夢にうつっていたのは──。 .
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