『公園』

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どこ? 椋鳥? 嫌な予感が頭に過る。 誘拐、殺人、考えたくもないのに次々とそんな単語が思い浮かぶ。 「椋鳥!?」 公園中に響くくらいに大きな声を張り上げるが、椋鳥からの返事は返ってはこない。 背中に悪寒が走る。 まさか湊が……? 私が呼べばすぐに元気な声で答えてくれる椋鳥。 愛くるしい顔で私に手を振ってくる椋鳥。 「椋鳥!!!!」 私は居てもたってもおれず、再び声を張り上げる。 先程買ったジュースも地面に放り投げ、元いたベンチへと走る。 周りの夫婦やカップルは、何事かと私に注目してくるが、今はそれどころではない。
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