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『ほんと何もされなくて良かったね!!めっちゃ心配したんだから!!』
ケイコは何故か涙目になって言ってきた。
『えっ?何でケイコが泣くんよ!!俺、何かした?』
俺は焦ってケイコに聞いていたんだ。
『何もしてないよ!!ただ何故か涙が出るの………』
ケイコは言い終わると声を出して泣いてしまった………。
『えっ……えっ……ケイコって!!ごめんって!!もう心配かけたりしないから!!』
俺がそう言うとケイコはいきなり俺の胸に抱きついてきたんだ。
俺はとっさにケイコを胸の中から離していた………。
『ごめん……』
謝ってくるケイコ。
俺はアユミと別れた以来、初めて女の子に抱きつかれたためとっさにケイコを押したんだと思う。
いや、アユミの事が好きだから押したんだ。
『俺の方こそごめん……でも俺、ケイコを抱きしめる資格なんて無いから……ほんとにごめん』
今の俺にはアユミ以外に触れるなんて考えられない。
必ずアユミとまた付き合えるんだって思っているから。
『私、ユキが好きなの。ユキの過去に何があったなんか知らない。私は今のユキを見てるんだから!!付き合ってほしい……』
『ごめん……今の俺にはケイコの気持ちを受け取る事は出来ない。俺、自分の中で決めてる奴がいるから。その子とまた出会えるって信じてるから!!だからごめんなさい……』
俺は即答で答えてしまっていたんだ。
アユミ以外ゎ全く考えられないから……。
傷付ける事は分かってる。
だけど今の俺にはこうするしか無かったんだ……。
『そか……私が入る隙間は無いんだね……でも友達でいてね』
ケイコは素直に分かってくれていた。
『もちろん!!ケイコとは親友だよ!!』
『ありがとう。それじゃあ私も帰るね!!また明日ね』
そう言うとケイコは教室を後にして帰って行ってしまった。
これでよかったんだよな………。
そんな事を思いながら俺はしばらく教室にいたんだ………。
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