第一章

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      研修   ケイコからの思いもよらぬ告白から1週間が経った教室の中では、普通に俺とケイコは会話をしていた。   『明日から研修だね。楽しみだね!!』   俺達、1年は明日から2泊3日の勉強研修で何処かの施設に行く事になっていたんだ。   『勉強しに行くのに楽しくないって!!まじ休みたいわっ!!』   俺は凄くかったるそうにケイコに答えていた。   『まぁそれはそうだけど……皆で泊まれるんだから楽しいじゃん!!』   ケイコは満面の笑みで明日からの研修を楽しみにしている。   『な~に話してんだよ!!』   俺とケイコの中にシンヤが入ってきた。   『ん?あ~、明日からの研修の話したい!!ケイコ楽しみらしいよ!!』   『まじかよ!!2日間も缶詰状態ばい!!まじ耐えれって!!』   やっぱりシンヤも俺と同じ意見だった。   『そう?私はユキやシンヤ達と一緒に居れるから楽しみなんだけどなぁ!!』   『ふ~ん、もしかしてさぁ、ケイコってユキの事好きなん?』   最悪のタイミングでシンヤがケイコに聞いてきた………。   俺は焦っていた。   ついこの間、ケイコに告白されて断ったのに………。   『違うよ~!!ユキとは仲の良い友達だよ!!ねぇ、ユキ』   ケイコは何のためらいも無く俺とは友達だと言ったんだ。   『うん……普通に友達よ!!シンヤも友達ばい!!』   俺もケイコに合わせて告白された事とか言わなかった。   『だよな!!俺らは親友だぜ!!んじゃあ俺、帰るわっ!!』   そう言うとシンヤは帰っていったんだ。   『全くシンヤの奴、いきなり聞いてくんなってな!!でも、ケイコ……ごめんな』   『いいって!!だってほんとに友達じゃん!!でも、私諦めてなんかいないからね』   ケイコはそう言うとカバンをからい帰って行ったんだ。   ケイコは俺を諦めた訳じゃない。   でも俺はケイコの気持ちを受け入れる事はこの先絶対に無いだろう。   そう思いながら俺は帰る準備をしていた。   帰る準備も終わって教室を出て、階段を降りていたら3年の木村先輩と女の先輩に声を掛けられていたんだ………。
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