第一章

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俺が外を眺めていたら1人の女の子に声を掛けられた。   『初めましてぇ。私、ケイコ。そっちは?』   『ユキ………』   俺は名前だけ教えるとまた外を眺めていたんだ。   『ユキね!!ってかユキ、格好いいじゃん!!』   まじでウザイ………。   俺はケイコを無視していた。   ピンポンパンポーン………   『え~、新入生は体育館に集合して下さい』   放送で俺達は呼ばれた。   廊下に並び体育館にだるそうに入場する。   体育館に入ると先輩のヤンキー方が俺達をめちゃくちゃ睨みながら拍手している。   女の先輩達は男の品定めするみたいに俺達を見ている。   入学式の間、俺はイスに座って眠っていたんだ。   先公の話なんか興味ない……。   そんな中、また俺に話し掛けてくる奴がいたんだ。   『よっ!!自分凄いよ!!登校初日なのに、ファンクラブ出来てるらしいぜっ!!…あっ!?俺、マコト。よろしくなっ』   『はっ?俺のファンクラブ?何それ………。まじで面倒くせぇな!!』   俺は全然嬉しくなかった。   そのファンクラブにアユミはいないんだし………。   俺は、もうどうでもよくなって荒れる事を決めたんだ。   入学式が終わり、教室に戻るとそこには女の先輩達がいたんだ。   俺に近付いてくる………。   『ユ~キ君。今日、遊びに行かない?』   何故、俺の名前を………。   『はっ?まじっすか?今日は辞めときます。また今度………』   『そっか~。じゃあ今度遊ぼうね!!ハイッ。これ、私のピッチの番号。メールしてね』   先輩はメモ紙に自分の名前、番号を渡してから帰って行った。   名前はミエ。   同じ科の2年生、俺のファンの1人らしい。   『お前スゲェな!!名前、ユキなんだ』   マコトが羨ましそうに話し掛けてきた。   俺はミエから貰ったメモ紙を破ってゴミ箱に捨てたんだ。   『何しよん?何で捨てるん?』   『はっ?興味ないから』   今の俺にはあんな物、必要ない。   アユミがいないなんて俺には耐えられない。   そう思うと俺の苛立ちは頂点まで達していたんだ………。
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