455人が本棚に入れています
本棚に追加
俺が外を眺めていたら1人の女の子に声を掛けられた。
『初めましてぇ。私、ケイコ。そっちは?』
『ユキ………』
俺は名前だけ教えるとまた外を眺めていたんだ。
『ユキね!!ってかユキ、格好いいじゃん!!』
まじでウザイ………。
俺はケイコを無視していた。
ピンポンパンポーン………
『え~、新入生は体育館に集合して下さい』
放送で俺達は呼ばれた。
廊下に並び体育館にだるそうに入場する。
体育館に入ると先輩のヤンキー方が俺達をめちゃくちゃ睨みながら拍手している。
女の先輩達は男の品定めするみたいに俺達を見ている。
入学式の間、俺はイスに座って眠っていたんだ。
先公の話なんか興味ない……。
そんな中、また俺に話し掛けてくる奴がいたんだ。
『よっ!!自分凄いよ!!登校初日なのに、ファンクラブ出来てるらしいぜっ!!…あっ!?俺、マコト。よろしくなっ』
『はっ?俺のファンクラブ?何それ………。まじで面倒くせぇな!!』
俺は全然嬉しくなかった。
そのファンクラブにアユミはいないんだし………。
俺は、もうどうでもよくなって荒れる事を決めたんだ。
入学式が終わり、教室に戻るとそこには女の先輩達がいたんだ。
俺に近付いてくる………。
『ユ~キ君。今日、遊びに行かない?』
何故、俺の名前を………。
『はっ?まじっすか?今日は辞めときます。また今度………』
『そっか~。じゃあ今度遊ぼうね!!ハイッ。これ、私のピッチの番号。メールしてね』
先輩はメモ紙に自分の名前、番号を渡してから帰って行った。
名前はミエ。
同じ科の2年生、俺のファンの1人らしい。
『お前スゲェな!!名前、ユキなんだ』
マコトが羨ましそうに話し掛けてきた。
俺はミエから貰ったメモ紙を破ってゴミ箱に捨てたんだ。
『何しよん?何で捨てるん?』
『はっ?興味ないから』
今の俺にはあんな物、必要ない。
アユミがいないなんて俺には耐えられない。
そう思うと俺の苛立ちは頂点まで達していたんだ………。
最初のコメントを投稿しよう!