第一章

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階段を一段一段上がるにつれて俺の心臓も早くなっていた。   教室の前に着くと俺は一回大きく深呼吸をしたんだ。   ガラガラガラ………   ドアを開けるとさっきまでざわついていたのが嘘ぐらいに静まり返って皆、俺の方を見ていた………。   『おっ!!やっと戻ってきたかぁ。心配してたんだぜっ!!』   シンヤは真っ先に俺に話し掛けてくれたんだ。   『ほんとすまん……』   『いいって事よ!!あんま気にすんな』   シンヤが俺を安心させてくれた。   だけど、俺はマコトに謝らなくちゃいけないと思ってマコトが座っている席に近付いたんだ。   俺がマコトに近付いていくとクラスの皆はそれを黙って見ていた。   『マコト……さっきはごめん。ついカッとなってしまって殴ってしまって……』   俺は本当に反省してマコトに謝ったんだ。   『もういいって!!俺の方こそ言い過ぎたし……全部忘れる事にするから!!普通に戻ろうぜっ!!』   マコトはあっさり許してくれた。   多分、シンヤが話しをつけてくれたからだと思う………。   『よっしゃ~!!仲直り成立やな!!皆~拍手!!』   シンヤの声に皆が乗って拍手してくれていた。   『シンヤ……まじありがとなっ!!お前のお陰でマコトと仲直りできたよ』   『なぁに言ってんだよ!!お前の事、1番心配してたのはケイコなんだぜっ!!礼ならケイコに言えよな』   ケイコは俺の顔を見て、満面の笑みで笑っていた。   『ケイコ……ありがとなっ!!心配かけてすまん……』   俺はケイコにもちゃんとお礼を言ったんだ。   『あっ!?ユキ、やっと笑ってくれたね。何か嬉しい!!』   俺はいつの間にかケイコに笑顔になってたんだ。   心の片隅には忘れたくても忘れられないアユミと言う存在がいるのに……。   ガラガラガラ……   ドアの開く音がしたので皆、見てみるとそこには今日から俺達の担任になる先生が立っていた。   『はぁ~い、席に着いてぇ!!……今日から君達が卒業するまでの3年間、担任をする石橋です。よろしく!!』   俺達の科は一つしかないため、クラス替えは愚か、担任も卒業するまで変わらないんだ。   『え~、明日は実力テストなので今日はたくさん勉強して下さい!!それではまた明日』   そう言うと石橋先生は教室を後にしたんだ。   俺も直ぐに帰るつもりだったんだけど、シンヤに話しかけられていたんだ。
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