第一章

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     テスト   4月10日……。   高校へ入学してから2日目の朝を迎えていた。   今日は実力テストの日。   俺は勉強なんてあの日以来、1回もしていなかったんだ。   タカシがいつもの様に俺を迎えに来て、一緒に自転車で学校に向かっていた。   俺はもうどうでも良くなって、学校の制服を着らずに自分の好きな格好で登校したんだ。   タカシはその俺の姿を見て、驚いていたけど何も言ってきたりはしなかった………。   学校に着き、靴箱でスリッパに履き替える時、俺はまた2年の女の子に声を掛けられていた。   『ユ~キ君!!おはよっ!!何で制服着てないの?呼び出されちゃうよ!!』   『あっ、おはようございます。ダルくて制服着たくなかったんで……別に呼び出しされていいっすよ!!』   朝から先輩方はキャーキャーうるさい………。   俺はその声を無視するかの様に階段を上がり、教室に入って行ったんだ。   ガラガラガラ………   『おう!!ユキ、おはようさん!!ってかどうしたん?めっちゃ普通の格好やん!!』   教室に入ると否やシンヤが話し掛けてきた。   『おはよう!!まじダルくて制服着てこんやった!!』   『気合いやな~!!でん気を付けな3年に目、つけられるばい!!』   シンヤは俺が3年に呼び出しくらうんじゃないかって心配してくれていた。   『大丈夫やろ?服装でどうのこうの言われる筋合いは無いけな!!』   俺がそう言った時だった……。   ピンポンパンポン………   『え~1年3組、ユキ。直ぐに職員室に来なさい』   早速、先公からの呼び出しが………。   『ほぉら言わんこっちゃない!!いきなり呼び出しやん!!大丈夫や?付いて行こか?』   『いや……大丈夫!!ちょっくら行ってくるわっ!!』   俺はそう言うとダルそうに教室を出て、職員室へと向かったんだ。   職員室へ向かってる途中も女の子達から声を掛けられていた。   『ユキ君!!その格好……どうしたの?』   ミチコに声を掛けられたけど俺は無視して職員室へ向かっていたんだ。   ガラガラガラ………   『失礼しま~す!!何か用ですか?』   俺は頭を掻きながら先公に聞いている。   『何かじゃないだろ!!こっちに来い!!座れ!!』   俺が椅子に座ると石橋先生が話し始めた………。   入学2日目で先公と俺のバトルが始まったんだ………。
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