恋の媚薬

バレンタインデー

『これはね、媚薬よ。のれを２、３適たしておけば、絶対相手の男の子はみどりちゃんのこと好きになるから。チョコを渡したら目の前で食べてもらってね。あ、無味無臭だから大丈夫よ』

そぉ言って有紀は小さな瓶に入った液体をチョコに混ぜてくれた。
媚薬なんて半信半疑だったけど、でも有紀の心遣いは嬉しかったし、もし本当に告白が成功するんだったら、何にでも頼りたい気持ちだった。

（だけど、目の前で食べてもらうどころか、渡すことも出来ないんじゃ…しょうながないよね…。）

チョコを渡すはずだった中谷和彦（なかやかずひこ）は生徒会役員をやっている。
みどりとは去年、同じクラスだった。
和彦は優しくてかっこよくて、他の男子のように
下品な冗談を言ったりもしないし、
大人っぽくて素敵に見えた。少々活発過ぎて男勝りなみどりのことも、ちゃんと女の子扱いしてくれた。