入学式

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「お・ば・か・さ・ん!!」 敵の攻撃をかわし、リナを炎が包み込んだ。 「ぐああああああっ!?」 「バーニング・フォース…。自分の周囲を炎で焼き焦がす魔法。」 炎が勢いを増し、暗殺者を焼き尽くす。 「私を敵に回すからですわ…。」 すでに暗殺者は、影も形もなかった。 「お疲れさん。」 コウが声をかける。 「楽勝ですわ♪」 リナは銃を懐にしまい、コウと向き合った。 「にしても、やりすぎたな…。」 不可視の結界の中は、血や黒こげの地面で、荒れ果てていた。 「ヤバいですわね…。」 リナも焦っていた。 「こうなれば、復興の魔術を…。」 コウが剣を天に掲げる。 「七色の虹の精よ、荒れ果てた地を元に戻したまえ。この大地に光あれ!!」 剣は七色の光で輝き、地面を元の姿に復興していく。 「ふう…。」 術が終了すれば、剣を鞘に直す。 「ねぇ…?あなたは一体、何者ですの?」 リナがコウを見つめる。 「う~ん…。」 (正体は隠しとけって、言われてるしなあ…。でも、ここまで見られちまったら、仕方ないよな。) コウの考えがまとまる。 「ねえ?」 「入学式が終わったら、教えてやる。だから今は言わないでいいか?」 コウが結界を解きながら言う。
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