入学式

8/12
前へ
/170ページ
次へ
「わかりましたわ…。約束ですわよ?」 「あぁ。約束する。」 結界が完全に解かれ、コウは周りを見渡した。 「そういえば、俺達って受け付けしてないよな……?」 「あっ……。」 2人して表情が固まる。 「急ぐぞ!!」 「は、はい!!」 コウが走り出して、その後をリナが付いていく。 それを物陰から見ている老人がいた。 「ほっほっほっ。『聖なる死神』が新入生とはなあ……。さすがのわしも想定外じゃわ。楽しくなりそうじゃの……。」 次の一瞬で老人は消えた。 「ま、間に合ったー!!」 体育館の中でコウが叫ぶ。 「ギリギリでしたわね…。」 リナは肩で息をしながら言う。 「結果オーライだろ!!」 親指を突き出し、笑顔で言うコウにリナは、そうですわね…、と呆れていた。 「新入生の諸君!!席についてくれたまえ!!」 ステージの上で身長がゆうに2メートルを超す大男が叫んでいる。 「どこに座ればいいんだ?」 「自由みたいですわよ。」 新入生達は各々、自由に席に座っていく。 「空いている席は詰めてくれよ!!もうすぐ、入学式が始まるから私語は慎むように!!」 大男の威圧感に押されてか、生徒全員が席を詰め、静まる。 「では、上級生入場!!」 どこからか、ファンファーレが鳴り響き上級生達が入場してくる。その数、およそ1000人!!生徒数の多さが、この学園の大きさを物語ったっている。
/170ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3596人が本棚に入れています
本棚に追加