第六話-頂点目指して(前編)-

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ラクトは銃弾が飛んできた方向を見た後、ウィルスを一瞥する。 そして目が合うとウィルスは小さく頷いた。 「ユーリ!退け!」 「了解!」 ラクトの言葉にユーリは戦線から離脱する。 それに続いて、ラクトもフラッグが眼前にあるにもかかわらず、ウィルスの横に並ぶ。 フラッグとの距離は15メートル程。 敵である女子生徒と男子生徒は急に戦闘をやめた二人に目を丸くしていると、ウィルスは左手を突き出す。 その間にも飛んでくる銃弾を、ウィルスを守るようにしてラクトとユーリは切り落としていく。 そしてウィルスはにっこりと笑うと口を開いた。 「僕達の勝ちだね、【大火炎柱】」 すると、フラッグを中心に炎が渦巻く。 その範囲は広く、敵の女子生徒と男子生徒は冷や汗を流す。 そして逃げようとするが、炎の勢いは強くなり、天に昇るように巨大な火柱があがった。 それは中級魔法の【火柱】とは範囲も威力も桁違いの上級魔法。 その火柱は、しばらくの間威力が衰えることなく、天を焦がしていた。
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