第六話-頂点目指して(前編)-

12/70
前へ
/537ページ
次へ
ようやく勢いが弱まり炎が霧散すると、そこには地に伏せた二人がいた。 そして中心には消し炭になり、原型を留めていないフラッグ。 すると頭にディールの声が響く。 《フラッグ破壊により五班失格!》 それを聞いてラクトは息を吐いた。 「……次行くか」 「ちょっと休憩させて……いくら魔力が増えたからって、やっぱり上級魔法キツいや」 「じゃあなんで使ったんだよ」 ウィルスの申し出にラクトは呆れたように言う。 ユーリはそんな二人を見て苦笑いをしている。 そうしていると、五班の人だと思われる狙撃銃を持った三年生が現れた。 「お前ら強いな……流石アルフレッドのチームだな」 そう言いながら、格闘科の女子生徒を抱き上げる。 「そんなことねぇよ」 突然木の上から降った声に四人は目を向ける。 そこには木の枝に腰かけているアルフレッドがいた。 「アル先輩……」 「たしかに俺が鍛えたとはいえ、全部そいつらの力だ。 三人だからって甘く見てたから足元すくわれるんだよ」
/537ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9200人が本棚に入れています
本棚に追加