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それはラクト達が自陣から駆け出して数十分のことだった。
ルイナはカノンがいるとはいえ、ほぼ一人でフラッグを守らなければいけないことに焦っていた。
(どうしましょう……不安です)
ルイナはため息をついてフラッグの近くにある木に腰かける。
《エルニア呼んどきな。
敵はいつ来るかわからないよ?》
《あ、はい》
カノンの言葉に返事をすると、ルイナは使い魔召喚の魔法陣を展開する。
そして魔法陣が輝き、そこから白い翼を生やしたエルニアが現れた。
「久々にエルニアちゃん参上!
ご主人全然エルニアちゃん呼んでくれないから暇だったよぉ!」
現れるとすぐにルイナに飛び付き、幼い顔が更に幼く見えるぐらい頬を膨らます。
ルイナはそんなエルニアを見て困った表情を浮かべる。
「ごめんなさいね……。
それと久しぶりに呼び出して悪いんですが、力を貸してくれませんか?」
「当ったり前さー!
ご主人の願いとあらばエルニアちゃんは聞いちゃうよ!」
そう言ってエルニアはルイナから離れ、翼を広げた。
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