第一話-英雄の血を持つ者-

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第二次世界聖戦から1000年経ち、魔法や文明が発展した世界“レアル”。 そんな世界レアルの中央に位置する所にある大陸“ロスト”。 ロストは第一次、二次世界聖戦の地となっており、それから1000年もの間に崩壊した塔を中心にして大きな都市が完成していた。 その都市の名は“フェリエル”。 そしてフェリエルに住む15歳の少年、ラクト=クロナミアは真新しい金のラインが入った黒の制服に身を包み、入学式を迎えていた。 ラクトは切れ長で橙色に輝く瞳を持ち、黒い髪を肩辺りまで伸ばし、上の方は立たせている。 なかなかの長身に、細身ではあるがしっかりとした体つきをしている。 今、ラクトの前方には大きな門があり、門からは長い長い道が伸びていて、その道は巨大な建物へと続いている。 その建物こそがラクトの入学する“フェリエル魔法学園”である。 今日から通う建物を遠くから見つめているとチャイムが鳴る。 ラクトはそのチャイムを聞くと同時に冷や汗が噴き出す。 「ただでさえ寝坊したってのに、なんでのんびりしてんだ俺は!」 そう言って慌ただしく走り出す。
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