第一話-英雄の血を持つ者-

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「まぁ1000年も前の話だけどね。 でも僕は先祖のユエ=エリクソンを尊敬している。 英雄の亡き後は神裁の副隊長も務めてたし、銃の腕前も隊長のレオ=スウェルを凌駕してたらしいし。 僕も先祖みたいに強くなりたいんだ。 今はまだまだ半人前だけどね」 終始楽しそうに話すウィルスにラクトは苦笑いする。 「って話が逸れたね。 君の名前は?」 「あ~……俺の名前は――」 「席につけガキ共」 ラクトが自己紹介しようとすると、教室のドアが開き担任の先生が入ってくる。 言葉にやや不安があるが、それを除けば見た目はしっかりとした男の先生である。 「俺はライリア=ティアナトだ。 戦闘学を教えている。 今から自己紹介をしてもらうわけだが……質問はあるか?」 ライリアは少し長めの髪をかきあげながら教室を見渡す。 「ん、お前」 ライリアは手を上げたウィルスを指差す。 お前と言ったのは、まだ名前を覚えていないからだろう。
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