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「まぁ1000年も前の話だけどね。
でも僕は先祖のユエ=エリクソンを尊敬している。
英雄の亡き後は神裁の副隊長も務めてたし、銃の腕前も隊長のレオ=スウェルを凌駕してたらしいし。
僕も先祖みたいに強くなりたいんだ。
今はまだまだ半人前だけどね」
終始楽しそうに話すウィルスにラクトは苦笑いする。
「って話が逸れたね。
君の名前は?」
「あ~……俺の名前は――」
「席につけガキ共」
ラクトが自己紹介しようとすると、教室のドアが開き担任の先生が入ってくる。
言葉にやや不安があるが、それを除けば見た目はしっかりとした男の先生である。
「俺はライリア=ティアナトだ。
戦闘学を教えている。
今から自己紹介をしてもらうわけだが……質問はあるか?」
ライリアは少し長めの髪をかきあげながら教室を見渡す。
「ん、お前」
ライリアは手を上げたウィルスを指差す。
お前と言ったのは、まだ名前を覚えていないからだろう。
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