出会い

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一体どうなっているんだ…?意識がだんだんとはっきりしてくるにつれ、現状への疑問が沸々とわいてくる。 「うご、うがが…」男は喋ろうとするが、動物のうめきのような音が空しく響くのみである。口を塞いている「何か」をはずそうと手を伸ばす… 「だめだめ、先生、無理に動くとケガしちゃいますよ?」殺風景な部屋ににつかわしくない可愛らしい声が響く。 のばせない。手が動かないのだ。いや、手だけではない。足も、身体も。身動き一つとれないのだ。 「だから…先生、おとなしくしてくださいよ。動いて欲しい時は、ちゃんと動けるようにしてあげますから。」 少女は視線をこちらに向けたまま…男の全身をなめるように見つめたまま、男の傍らに腰を下ろす。そこは無骨な部屋には不釣り合いな可愛らしいピンク色のシーツがあった。男自身がベッドに縛り付けられていたのだ。 黒く、そして細い、革の拘束具で。所々に不必要なアナや出っ張りがあり、単なる拘束のためではなくエロティックな用途を想定している事が伺える。 そしてその拘束具は、男の肌へ直接つけられていた。つまり男は全裸であった。 なぜだ?なぜ俺はこんなところに?この女の子は一体?? 「先生のスーツ、泥だらけになっちゃったから、クリーニングに出しておきましたよ。先生のからだって大きいから、脱がすの大変だったんですから…」 やがて男の記憶が戻ってくる。そうだ、俺は「誘拐」されたんだ!
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