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それからすぐに何処からともなく強烈な風が吹き、造超の首を襲った。
その風は正しく紗耶香の仕業で、造超の首からは無数に血が舞っている。
完全に首を切断し終わると今度は胸を風が襲い、無惨にも切り刻まれてしまった。
この造超の超力は何だったのだろうか。今となっては気にすることでもないが。
風が止むと、紗耶香は彩のすぐ近くに姿を現した。しかも悠々と座っていたのだ。
「あれ!?さっき造超の方に行ったよね!?」
「また戻って来たの」
わざわざそんなことをしなくても良いだろうが、紗耶香は自慢したかったようだ。
「私のもう1つの超力は透明。だから透明人間になれるんて」
言われなくても見ていれば一目瞭然。だがやはり自慢したいようで、その口調は自信満々だった。
そんな紗耶香は無視して、彩は冷静に思った。
「私も“普通”の超力が良いな」
彩が言う“普通”とは、仲間を殺すようなものでない超力のことである。
やはり彩も過去に最悪な状況を体験しているのだった。
心臓を潰し終わった時、また造超と出会してしまった。
と思いきや、曲がり角から姿を現した人物の目は金色ではなかったのだ。
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