3/10
前へ
/143ページ
次へ
それからすぐに何処からともなく強烈な風が吹き、造超の首を襲った。 その風は正しく紗耶香の仕業で、造超の首からは無数に血が舞っている。 完全に首を切断し終わると今度は胸を風が襲い、無惨にも切り刻まれてしまった。 この造超の超力は何だったのだろうか。今となっては気にすることでもないが。 風が止むと、紗耶香は彩のすぐ近くに姿を現した。しかも悠々と座っていたのだ。 「あれ!?さっき造超の方に行ったよね!?」 「また戻って来たの」 わざわざそんなことをしなくても良いだろうが、紗耶香は自慢したかったようだ。 「私のもう1つの超力は透明。だから透明人間になれるんて」 言われなくても見ていれば一目瞭然。だがやはり自慢したいようで、その口調は自信満々だった。 そんな紗耶香は無視して、彩は冷静に思った。 「私も“普通”の超力が良いな」 彩が言う“普通”とは、仲間を殺すようなものでない超力のことである。 やはり彩も過去に最悪な状況を体験しているのだった。 心臓を潰し終わった時、また造超と出会してしまった。 と思いきや、曲がり角から姿を現した人物の目は金色ではなかったのだ。
/143ページ

最初のコメントを投稿しよう!

194人が本棚に入れています
本棚に追加