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夜中に一度起きて、キッチンに向かった。
冷蔵庫を見つけて、ミネラルウォーターを取り出してから、辺りを見わたした。
いかにも男の1人暮らしだけど、きれいに整頓されている。
大きなテレビに、質の良さそうなテーブルやソファー。
本棚には医学書がおびただしい量並んでいたが、端の一角にジャーナリストの戦争にまつわる本や雑誌も多く並んでいたのが印象的だった。
そんな国の写真だろうか。
ひきのばされて壁に飾ってある写真の中には、黒人の子ども達がいた。
背景には粗末なほったて小屋。それが住居なのだろう。
華やかな色彩など何もない。小さな体は飢えているようなのに、子ども達の目に悲壮感など少しも感じられず、澄んで輝いていた。
彼は若くて何不自由ない立場なのに、こういうものに興味があるんだ……。
私は不思議な気持ちで、しばらくその写真を見ていた。
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