玉響

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そんな話をしたのは、今日が初めてだった。 正確には、そんなことを話せるような人に出会ったことが無かった。 不思議と、哲平なら受け入れてくれるような気がしたのだ。   私の予想通り、そんな取り留めのない話を、彼は穏やかな相づちをうちつつ、全部聞いてくれた。   夜勤あけできっと疲れているのに。 外で拾った女のこんな話、面白いわけがないのに。   それを受け入れてくれる彼は、神様がこの世の中でたった1人、私の為に用意してくれた人のような気さえしてきた。
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