玉響

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  「そんな……、僕はね…」   「もういいじゃない、ね!」   私は哲平の言葉を遮った。 それが大きな後悔を生むとも知らないで……。   それでも、少し寂しそうに微笑んだ彼は、逆に私に気持ちを拒否されたのだと感じたに違いなかった。   そっと手をにぎると、引き寄せて強く抱きしめてくれる。   自分の中で、哲平の存在が爆発的に大きくなるのを感じていた。   明日の見えない私の世界で、哲平のぬくもりだけは確かだった。
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