玉響

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何言ってるの。……ともつっこめずに居ると、彼はやっぱりマズかったというふうな顔でまたすぐに謝ってきた。   「……ううん。……お言葉に、甘えようかな」   いくつか思うところはあったのに、私はごく自然に、そんな返事をしてしまっていた。昨夜のこともあって、半分上の空だったような気もする。 それでも分かり易い哲平の笑顔を見てしまうと、不思議とまぁいいかと思えてしまうのだ。   「良かった。また怒らせたかと思った」   「ううん。実際仕事もなくなって、これから困る予定だったんだから。ありがたいよ」   哲平が淹れてくれた熱々のコーヒーを口にすると、私はあらためてホッとしている自分を感じた。   とりあえずの住処を確保できたというよりも、彼や、彼の暮らすこの空間は、私にとってとても安心できて、しっくりとくるものだったからだ。
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