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彼は戸惑う私の反応なんてまるで関係ないかのようにつづけた。
今なお戦争によって苦しんだり傷ついたりしている人達を助けたいのだと。
哲平の瞳が、今まで私が見たことのない光で輝いていた。
「不自由な思いだって何も感じることなく生きてきた。そんな薄っぺらでどうしようもない僕でも、むこうに行けば誰かの役にたてるかもしれない。僕はね、僕が生きる意味を探したいんだ。もう嫌なんだ、与えられるばかりの人生は。」
その言葉を聞いた時、夢と同時に、彼の人生の苦悩や葛藤が少し見えた気がした。
私は親も経済力も肩書きも何も無いから屈託してきたけど、哲平は、すべてをもっているのに、すべてをもっているが為に、沢山悩んできたのだと。
夢を貫く為に、大反対した両親とは縁が切れてしまったらしかった。
それほど強い意志だった。
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