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リーさんが日本に来て5年になる事。
俺のアパートの近くに住んでいる事。
リーさんの年齢が俺より4才上である事。
駅から10分位歩いた所にある、俺のアパートに着くまでに話をした。
「俺、ここだから」
俺はアパートを指差した。
「本当に近いです。私はあそこです」
リーさんの指差した先には、最近新築した12階建てマンションが、エントランスの灯りを漏らしていた。
俺はリーさんと、マンションを見比べた。
「リーさんて、セレブ?」
思わず聞いてしまった。
リーさんは、微笑みを浮かべて、顔の前で手を振りながら。
「大した事無いです」
軽く流された。
「あれで大した事無かったら、こっちはどうなるの?」
俺はリーさんに手を振りながら、アパートに帰りました。
これが俺とリーさんとの出会いだった。
リーさんは、あの夜以来、毎日コーヒーを飲みに来る様になった。
最初、リーさんが来た時の牧野さんの顔は、中々の見物だった。
リーさんは、テーブルに座り、注文を採りに来た牧野さんに、コーヒーを注文して先に金を払った。
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