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リーさんは、俺に自分の身の上話をしてくれた。
リーさんは5年前に来日したが、父親が政治犯だった為に、パスポートが取れず、仕方なく偽造パスポートで入国していた。
そのパスポートの期限が切れているリーさんは、もし警察に身分証明書の提示を求められれば、即座に違法滞在になり、逮捕される。
もしあの時に、牧野さんが警察に連絡していたら、リーさんは、逮捕されて強制送還されていたのだ。
また、本国では拘留されて、懲役になる所だった。
だから俺が不自然に思う程、低姿勢だったのだ。
来日したリーさんだったが、まともな職業には着けずにいた。
中国料理店で皿洗いをして、飢えを凌いでいた。
ある日同僚の、馬 恩正(マ・オンセイ)に誘われて、ゴト行為の打ち子のアルバイトをしに行った。
蛇頭グループの仕事だったが、リーさんはパチンコをした事が無く、全くの初心者だった。
リーさんは、打ち子として打ちながら、このパチンコと言うギャンブルが、とても好きになった。
仕事が休みになれば、パチンコ店に行き、1日飽きずに打っていた。
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