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リーさんにとって、周の存在は信じられ無かった。
「あなたは、パチンコ店で中国語を使う事に、抵抗を感じませんか?」
リーさんは、周に尋ねた。
「仕方ないですよ、私は中国人なんですから」
周は笑いながら、リーさんに答えた。
リーさんは、周に対して嫉妬と憧憬を覚えた。
「私はこの国に来て、毎日生活する事で精一杯でした」
リーさんは自分の置かれた環境を、周に話した。
「私はこの国に、偽造パスポートで入国しました」
リーさんは、周に一体何を話そうとしているのか、解らなくなった。
しかし、リーさんは止まらなかった。
「私と貴方は、どこが違うのでしょう?」
感情が高ぶり、リーさんは涙を流しながら、周に聴きました。
周は、リーさんの涙を見て、よほど辛い思いをして来た事を感じ、優しく言った。
「スタートは色々だと思います、貴方が辛い思いをして生活している事も、伝わりました。しかし、結果はまだ、出ていないでしょう?」
周は、リーさんに微笑みかけた。
「先の事は、誰にも分からないですよ」
リーさんは、周の顔を見つめた。
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