始まり

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 ある夜、周の家に誘われ、リーさんは付いて行った。  「素敵な部屋ですね」  2LDKの部屋が、リーさんには、豪華な邸宅の様に感じた。  「小李も、ちゃんと働けば、これ位の部屋は直ぐに借りられます」  周は、当然と言った顔をして、リーさんに言う。  「今日は小李に、この国での生きる為の手段を、教えたいのです」  周はとても真剣な顔で、リーさんに話した。  リーさんも、いつもの周と雰囲気が違う事が判り、黙って頷いた。  「いいですか、最初に言って置きます、私達はこの国に客として、招かれた訳ではありません」  周はいきなり、当たり前話をした。  「と言う事は、この国は私達をいつでも、追い出せるんです」  周は解るか?と言う様にリーさんを見る。  リーさんは頷いた。  「そんな私達が、自己主張をすると、どうなると思いますか?」  リーさんは周が、とても大切な事を、リーさんに教えてくれているのを、感じた。   「他人の家の決め事を、よそから来て世話に成っている人間が批判する事を、この国はとても嫌います」  リーさんは思い当たる事があった。
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