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周は、リーさんの追求に負け、下を向いたまま、ゆっくりと話を始めた。
周さんの仕事は、パチンコメーカーの営業だった。
仕事は順調に進み、周は係長の役職にまで、昇進していた。
周はリーさん以外にも、数人の同胞の面倒をみていた。
身寄りも無い国を出て、この国に住む同胞を頼り、苦労をして生きて来た周にとって、そうする事が、今まで助けてくれた同胞の恩人達に、報いる行為だと思っていた。
その周が、同胞の手によって、苦境に立たされる事になった。
周の担当する地域に、納品された機械から、裏ロムが発見された。
発見したのは、ホールの店長だったが、その店長が、周を恐喝したのだ。
店長は中国人の周を疑った。
そして、今回の事を組合を通じて、協会に報告すると言うのだった。
周の勤めるメーカーは、関西の2流メーカーで、そんな噂が流れれば、あっと言う間に、倒産してしまう。
周は仕方無く、店長の求めに応じてしまった。
全ては2ヶ月前の、この事件が始まりだった。
店長は、2度3度と周に金銭を要求して来た。
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