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比べてみても、何もならない惨めな思いを押し殺す。
新聞をテーブルに投げ出して、タバコに火を着ける。
首を巡らせると、パチンコ店[アース]の店長が、私の後ろの席にいた。
見知らぬ男と話す店長は、緊張した様子だった。
私は聴くとは無しに、二人の会話が耳に入った。
「3台じゃあ、20しか無理だよ店長」
意味が分からない内容が聴こえた。
店長が何かの相談をしている様に感じた。
相手の男は普通なら、絶対に同席したく無いタイプの男だった。
ヤクザの特徴を5個並べたら、全部が当てはまる男だった。
ヤクザ風の男は店長と値段の交渉をしている様だった。
最終的に店長が折れた形で決着したようだ。
店長が店を出て行った。
ヤクザ風の男は、電話をしていた。
私は何かヤバイ空気を感じていた。
ヤクザ風の男は、更に誰かに電話をした。
時々聞こえる電話の声を繋げて行くと、こいつらはパチンコ関係のシノギをしている。
[アース]の店長もこいつらに絡んでいて、金を貰って何かをしている。
私は自分が今、長い人生の中のターニングポイントに出会っていた。
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