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黄に背中を押され、2ヶ月間を過ごした部屋をでた。
表に出ると、強い日差しに目眩がした。
リーさんは、背伸びをし、長かった監禁生活を、振り返り、吐き気がした。
腐った仕事だった。
頭を使う必要もなく、ただプログラムの羅列に、意識を集中して、自分をパソコンの一部にして、毎日を過ごした
リーさんは黄に、動物園に行きたいと、リクエストした。
「動物園ですか?」
黄は、少し不機嫌に、リーさんに聞き返した。
「のんびりしたいんだ」
リーさんは、黄に言い訳をして、苦笑いを浮かべた。
「解りました」
黄は、不承不承リーさんに従った。
リーさんは、黄の運転で市内の動物園に行った。
象の檻の前で、リーさんは、自分の立場と象をなぞらえ、思わず涙が零れた。
リーさんの様子を見ていた黄が、涙に気付き、声を掛けた。
「李兄!どうかしましたか?」
「いや、何でも無い」
そう言うのが、精一杯だった。
涙は止まらず、リーさんはその場に座り込み、声を上げて泣いた。
リーさんの異様な様子に、黄は慌てて、リーさんを抱える様に、動物園から出た。
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