1339人が本棚に入れています
本棚に追加
リーさんは、黄の事を思い、又涙声になった。
「おぃ!もう泣くな。俺のシャツが、びちゃびちゃになる」
関が腰を引きながら、リーさんに言った。
リーさんは、鼻をすすり上げ、泣く事に耐えた。
「黄の小僧は、お前の事を心配してなぁ。もしもの事があれば、仕事の事も頼まれたが、どうする?」
関の口から、思わぬ事を聴かされて、リーさんは驚いた。
「仕事は、有りますか?」
黄の努力で、蓄えはあるが、食い潰すのは早い。
今の段階で、仕事があれば、生活が安定できる。
「あるぞ、お前の技術は大した物らしいな?」
「私には解りません」
「謙遜するな。あちこちから、情報は入ってる」
リーさんは、自分の知らない内に、勝手に名前が独り歩きしている事を、初めて知った。
「仕事は心配しなくていい」
関は、大きなお腹を撫でながら、椅子に腰を降ろした。
リーさんは、少し考えて関に言った。
「関さんは、預かるだけですか?誰かに物を届ける事は、やってくれませんか?」
「俺は、何でも屋だ。どんな事でもする。料理以外はな」
最初のコメントを投稿しよう!