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「無視じゃあないべ、店長を探してんの」
俺は出来るだけ優しくサエに言った。
「店長いないよ。カウンターの梨華ちゃんが、楽勝でサボってたから」
サエは仲の良い店員の名前を言って、俺の知りたい事を教えてくれた。
俺は男の言った番号の台に向かった。
サエは相変わらず、裾を掴んだまま付いてくる。
俺は目でナンバーランプに書かれた、台番を探した。
海物語のコーナーに、男が言った番号があった。
その台には見慣れ無い男が座っていた。
202番台の男は足元に5杯のドル箱が積まれている。
俺は他の台も見た。
205番台は女が座っていて、足元に玉は無い。
208番台は男が座っていて、足元に12杯のドル箱が積まれている。
これじゃあわからねぇ、俺は小さく呟く。
俺はじっと立って、あの男が言った3台を見た。
205の女が席を立つ。
俺がその台に近付いた時、となりの台の男が煙草を置いた。
煙草を置いた男は俺を睨んだ。
睨まれた俺は、男の視線に冷たい物を感じていた。
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