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私には自分が許せないと感じる時が頻繁にある
それは、都会を放浪しているときの食事時に、決まって胃袋から沸き上がってくる
人間、腐っても動物だ
いくら私が貴方がたとは一線を画した存在だとしても必ず腹は減る
文明がかかげた便利な生活のおかげで、私は自然が育んだ恵みのお零れを十分に頂戴出来ない
結果、食料とゴミの判断もつかなくなった、現代社会の世話にならねばならなくなる
これほど屈辱的な事はない
私は、消えていった風景の仇と言わんばかりにコンビニのおにぎりを文字通り食い散らかした
勿論、米粒一つ落としはしない
いくら腐った文明の袋に包まれた米粒といえど、こいつらには罪はないのだ
今日の食事がある生活を八百万の神々に感謝する
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