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罪人の子。
その呼び名から感じられる禍禍しさに反して、エリヤはこの国の誰からも敬い尊ばれていた。
オルセン国の伝承を守るために。罪人の一族、エンデ家としての努めを彼は果たそうとしている。
そんな旅の途中だ。
「……さっさと聖堂へ行くぞ」
「うん」
罪人の子としての努め。
その意味を、一人と一匹は何度も反芻し呑み込んできた。
そしてこの一年の間、確実に終わりに向けて努めを果たしてきた。
それももうすぐ終わる。
何事もなければ……。
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