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恵介と由布は幸せだ。あれ以来、近付く心。恵介は由布を毎日のように抱く。けなげな由布は恵介に、身を任せる。
しかし、ある日、由布がルンルンと買い物に向かうと、周りはヒソヒソ。
由布は不思議に感じるが、恵介の為に美味しい料理を作りたい。
「これください。」
由布は言う。すると、
「ごめんなさいね。あなたは悪くないわ。けれどね、餓死しない程度にしか売れないの。」
「どうしてですか?」
「あなたの旦那さんよ。犯罪者なのでしょ?あなたは騙されて。若い女の子を騙して、ひどい男ね。知ってて結婚した。」
「ち、違います!け、恵介さんはそのような人ではありません!!」
「洗脳されているのね。お嫁さんを作れば、ましては新婚さんなら、牢屋を免れる。うまいわね。」
「違います…愛し合って…。」
「愛のない関係を持っているのね。」
「違います…。」
涙。由布は辛くて逃げてしまう。
家。ドアを閉める。
由布は泣き崩れる。
夜、由布は気丈に振る舞う。料理は、由布にできる限りのもの。由布の分を減らす。
「由布?」
恵介は心配する。
「へへ、何か、食欲ないんです。」
由布は嘘をつく。
二人きりのお風呂、寝室。由布は恵介に抱かれて眠る。
(私がしっかりしなきゃ…。)
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