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『ごめん。別れてくれ彼女のことが好きなんだ』
考えた挙げ句に出た言葉がこれかと思うとがっかりだ
隣りで青ざめていた顔を赤らめた彼女と見つめ合うのは帰ってからにして欲しい
たぶんこの後で
“あ～良かった”
“ホッとした”
とか二人で話すことも予想出来て虚しい
とっくに彼の中ではあたしと言う存在は終わっていて、胸のしこりか足の裏の魚の目に成り下がっていたんだ
あたしの描く未来には確かに彼がいたけど
彼の描く未来にはとっくにあたしはいなかったんだ
所詮最後のデートをした後に彼女に会わせたのは、あたしが泣いて縋るとでも思ったのだろうか
もしもそういう目的だったのなら
作戦は大成功を収めたようだ
かなりのダメージを受けたのは事実だし
どう足掻いてもどうにもならないことを思い知らされた
ただ…卑怯だとは思う
『分かった。サヨナラ』
今までありがとうとか言うつもりは無い
たぶん、この虚しさも憤りもこんな目に遭ったに人しか理解出来ないと思う
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