青天の霹靂

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大学生の時に初めて出来た彼氏とは五年間付き合っていた 高一の時の文化祭で背がクラスの女子の中で一番高いっていうだけで配役の決まった演劇であたしが演じたのは白いタイツを履いた王子だった ただ単に男子が白タイツを嫌がったのもあるけど 相手役は女のあたしから見ても睫が長くて可愛い子で理由をつけて女装させたかったと言うのがみんなの特に女子の思惑で、あたしはそのとばっちりにあったんだ そりゃあ自分より遥かに可愛い男子の隣りには誰も立ちたくは無いわな 一重の良く言えば涼しい、悪く言えば特徴も無い瞼に宝塚顔負けの化粧を担任が面白がって施したお陰で思いの外、あたしの王子姿も好調だった訳で それから二年半、卒業するまで女として扱われることは無かった
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