異様な組み合わせ

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下駄箱を開けると、いつものように何枚かのラブレターが入っていた。 「またか…」 髪は短めで、スポーツ万能、剣道、弓道で全国大会優勝。そして整った顔立ち。さらに、通ってるのが女子校となれば、女生徒にモテるのは、至極当然なのかもしれない。 「彼氏なら欲しいけど彼女は…ねえ?」そう呟くと彼女は、しばらく呆然としていたが、やがて我に戻り、上履きに履き替える。 何人かの生徒達と挨拶を交わしながら、自分の教室に向かい歩く。 「歩先輩おはようございます。この前先輩に話した本、持ってきたので読んで下さい。」 声のした方を見ると、三つ編みの目がクリクリっとした可愛い女の子が立っていた。 「愛美おはよう。ありがとう。じゃあさっそく今夜あたり読んでみるよ。」 歩は、彼女からその本を受け取り、教室へ向かいながら 「彼氏欲しいなぁ…」と呟くのであった。
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