少年

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 世界はどこから始まったのだろう。    生まれた時、それ以前?  父と母の出会いからだろうか?  思考の先に答えを求めているわけではない。単純に疑問に思うだけ。何も確信のない世の中に確かなものなどない。  生まれる前は、どこにいたのだろう。生まれるとは存在する事なのだろうか。 結局は自分次第の答えを見つける事になるのだろう。  この先も、この次も、この後も・・ずっと。ずっと。ずっと・・・  少年は自分の通う学校にいつものように登校していた。  まだ朝早く、登校する生徒は誰一人歩いていない。この場にいるは少年だけだった。  静まり返った早朝5時、少年はペースを落とす事なく自転車で自宅からの道のりを必死にペダルを漕いでいた。 「はぁはぁはぁ・・」  少年の息遣いだけが音として存在している。  少年は何のために急いで学校へ向かっているのだろうか。それを知る者は彼自身しかいないのだが。  同時刻。地球を見上げる少女がいた。 「・・・・」  言葉も出さず真剣な眼差しで地球を見上げていた。 「愛しいのかい?」  少女の傍にいた少女の父親が声をかけた。 父親も少女の横に並び空を見上げていた。 「そんなんじゃないわ」  そう言うと少女は足元へ顔を下ろし俯いてしまった。
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