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「貴様ぁ、何もんだ!?」
少年に気づいた漢の一人が叫ぶ
「大和の親友ですが、なにか?」
「親友だか何だか知らねーが、俺たちの恋を邪魔するんじゃねぇ!!」
「はいはい、そーですかい」
少年が言い終わるや否や、辺りに突風が吹き荒れた。
少年は、風を身にまとわせつつ、こういった。
「只今、この付近に、'暴風'警報が発令されました。付近の生徒は注意してくださいね」
少年にまとっていた風は少年から離れて、やがて土埃や枯れ葉、小石や砂を巻き込み、巨大な竜巻となった。
「竜巻がなんぼのもんじゃーい!!行くぞ皆!!」
「「おうっ!!」」
漢共は、臆することなく竜巻へと向かって来た。
「あーあ。せっかく注意したのに……なら仕方ないか………」
少年は、右手を天にかざし、そこに竜巻を集めた。
「くらえ!!!愛とぉ!!欲望のぉ!!ダイナミックハリケーン!!」
少年は何やら厨二くさい、台詞を吐きながら竜巻を漢共にむけて放った。
ほんの一瞬だった。
少年の放った、竜巻は、周囲のありとあらゆるものを巻き込んで、虚空に消えた。
漢共が居たはずの場所には、桃色の便箋が残っていただけだったが、やがてその便箋も風に飛ばされ何処かへと消えてしまった。
「風って、気持ちいいね」
少年は無邪気に笑った
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