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「お疲れ。」
少年の後ろから、大和が声をかける。
「いやー、本当に疲れたぜ。」
「マジで助かった、ありがとうな。」
大和は少年に手を合わして礼をいった。
「クックックック………」
「?」
「アッハッハッハッハッハ」
少年は急に大声で笑い出した。
「……!?。どうしたんだ?」
そして、満面の笑みでこう言った。
「なーに………当たり前の事をしたまでだよっ!!」
少年の身体に風がまとう。
その風は大和に向けて放たれた。
「なっ!?」
大和が動き出した時には、既に風は大和を捉えていた。
風は大和の両手両足をガッチリと固定した。風圧によって動きを封じられたのである。
「どうゆうことだ!!」
大和が叫ぶ。
それに対し、少年は大笑いしながら応える。
「俺たちの中なら当然さ」
満面の笑みを浮かべながら、少年は大和に近づいて来る。
大和はその笑みを見た時に、ある事が脳裏によぎった。
「まさか………まさかだろ……?……冗談なら冗談って言ってくれよ!!」
「冗談?…………クックックック……アッハッハッハッハッハッハ。」
「お前も……なのか……。」
大和は首をガクンと落とし絶望した。それもその筈、大和が逃げ逃れていた相手と同じ存在が目の前にいるのである。
少年は大和のアゴに手をやり、グイと顔を上げさせる。
大和の目と鼻の先には少年の顔があった。
不細工ではない、むしろイケメンである。
「大和……俺は……本気だぜ…?」
「よせ……それ以上……顔を近づけるな……」
大和は、自分の中の何かが引いて行くのを感じた…。
「大和……」
「やめろ……頼むやめろ……」
大和は目をふさぎ、顔をそむける……
「大和……!!」
「来るな……来るなぁぁ!!」
2人の距離は限りなくゼロに近づいていく……
「大和!!」
「うぁぁぁぁぁぁ!!」
ゴンッ!!
「いってぇぇぇぇぇ!!!」
唇が重なりあう寸前、大和の後頭部に衝撃が走った。
そのあまりの痛さに思わず、目をあける。
その時に目の前に飛び込んで来たのは………
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