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「…………ん?」
さらり、と聞き流していたが百合子は二人の会話に引っ掛かりが話を戻す。
「そういえば……、美羽ちゃんって……梓君の家から出て来たような……」
「……今更かよ」
日向はあまりに鈍い反応に冷静に鋭くツッコミを入れた。
美羽は知らないフリをしていたが梓はしらっ、とした顔で彼女の肩に手を回す。
「当たり前。だって、コイツは俺の家に居たんだからな。つーか、夏休み始まるくらいから普通に居座ってるし」
「……同棲……?」
「断じて違う。梓が来い、って言うから……仕方なく行ってるだけだし……」
「ああ……。でも、それで行っちゃうんだね……」
案外素直な美羽に満足そうな梓は“お似合い”だろう。
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