9318人が本棚に入れています
本棚に追加
取り乱していた日向はバツが悪そうに百合子から離れた。
「直ぐに出掛ける……。行き先は学校だ……」
百合子はわざわざクリスマスにそこに行く理由を知っている。
ただ、日向が望むままに百合子は傍に居ることを決めたのだ。
「……畏まりました。玄関前に車をお持ち致しますのでそこでお待ち下さいませ」
「ああ……。百合子、行くぞ」
日向も百合子も既に外出の準備は整っている。
日向は百合子を隣に並べて玄関先へ向かった。
「……今井さん、来るかな?」
「来る」
「そっか……」
もう、後戻りなど出来ないところまで来てしまった。
百合子は何だか寂しくて仕方なかった……。
最初のコメントを投稿しよう!