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ピンクのレースが付いたキャミソールに太腿までカットされた短パン姿の百合子は無駄に広いベットの端まで掛け布団を握ったまま逃げる。
上半身裸の日向は布団を失った寒さによりむくり、と体を起こす。
「馬鹿野郎……、超さみぃ、最強にうるせぇ、マジで有り得ねぇ……、消えろ……ブス」
日向はとにかく朝が苦手であり、加えて百合子の叫びに不機嫌さは上昇する。
ただでさえ、寝不足の日々が続いているのに追い討ちをかけるように百合子の絶叫と和也の悪戯に拍車が掛かっていた。
日向は寝る時には高級なシルクのローブを着用しているのだが……いかんせん、寝相が悪すぎる。
着衣はたいていの場合、無駄に終わるのだ。
「あんったのせいでしょうっ!? 早く服を着てぇーっ!」
「……っるせぇなぁ……、あー……頭いってぇ……」
日向は血走った目で百合子を睨んだ。
まだ、日向の頭も瞳も上手く覚醒していない。
ただ、百合子がそこに丸まっている事だけは認識している。
「……夜這い……か」
「違うわ、馬鹿っ! 誰があんたなんかに夜這うかっ!」
断じて百合子の意志では無い事だけは胸を張って言える。
間違いなく、和也with部下ズの仕業だ。
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