episode.1 [条件]

9/10
前へ
/384ページ
次へ
暫く考えて彼は答えた。 「何でも良いよ。」 「それじゃ、凶ちゃん!」 彼は黙って困った様に頭を掻いている。 「・・・ダメ?」 「・・・出来たら別ので・・・」 ボソッと彼は呟いた。 何でも良いと言った反面拒否しづらいのかな? 「凶やん!」 「・・・」 「凶たん!」 「・・・」 暫く遊んでみたけど、凶也君が疲れて来たみたいだからそろそろ止めないとね。 「それじゃ、凶也でいい?」 「ああ。」 やっと決定したので、ついついやってしまうのは・・・ 「凶也。」 「ん?どうした?」 「呼んでみただけー。」 「何だよそれ?」 そう言いながら彼は笑った。 あまり笑った表情を見た事がない分、新鮮に見えてしまう。 「凶也は私の事なんて呼ぶ?」 「何て呼んで欲しい?」 「美島結衣(ミシマユイ)だから結衣で!」 「結局お互いに名前で普通に呼ぶ事になったな。」 「だね!でも、一番違和感無いしね!」 私も遊びで[凶たん]とか言ってたしね。 呼び方を決めた後はどうでもいい話をした。 誕生日はいつだとか、血液型はどうだとか。 ちなみに、凶也はA型で私はO型。 後は英語の先生の頭は絶対カツラだとか言う話をしてた。 絶対そうだと思うけどなー。
/384ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7342人が本棚に入れています
本棚に追加