序章
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バスから降りると長い乗り継ぎの旅も徒歩となった。 僕は手持ちの旅行鞄と通学用のエナメルバックを提げて今日から住むこととなった街を歩いていた。 桜が咲いている。 甘い匂いがして、また春が来たんだって僕は実感する。 大通りから外れるとすぐに大きな建物が見えた。 あれが来週から通うことになる冠彩(かんさい)高校。 校舎はまだ新しく、白い壁が輝いている。
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