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少し時は戻って、緒里が悲鳴を聞いて走りだした頃。
ハァハァハァ……
10代半ばの女の子が何かかから逃げている。
グオオォォォ……!!!!
彼女の後方20mに黒く、羽の生えた大きなトカゲのようなものが追いかけて来ていた。
―こ、こんな時にダークドラゴンが来るなんて…
この黒いトカゲのようなものは、ダークドラゴンというらしい。
「く、万全な時ならまだしも魔力が切れかかってる今じゃ…」
彼女は、何かしてきた後らしく、魔力が切れかけているらしい。
彼女がダークドラゴンの位置を確認しようと後ろを向いた時
「あッ!?」
足下の木の根に躓いてしまった!!
彼女は見た。
ダークドラゴンが、爪を振り上げ自分に振り下ろそうとしているのを。
―殺られる……ッ!!
そう思い、彼女は咄嗟に目を閉じた。すると突如、
「やめろーッ!!」
という、少年の大声が聞こえた。
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