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すっ、と、私の手が、大きな手に包まれる。
「――蒼理…さん……?」
私は恥ずかしさに顔が火照るのを感じた。
その様子がおかしかったのか、蒼理さんはくすりと笑う。
「おれが手を放したら、目を開けて」
そう言うと、彼はすっと手を放した。
私が目を開けると右手に綺麗なカンザシがあり、それは大きな桃色の花飾りが印象的だった。
「今日、十七になったんだよね?
だから、そのお祝い。
――気に入ってくれたかな?」
「はい、とても……。
でも、こんな高価なものは受け取れません!」
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